
ムギクサは市街地や農地に見られる雑草で、栽培種の大麦と同じ属に分類されます。小麦、ライ麦、大麦はそれぞれ属が違いますので、ムギクサは野生の大麦の1種といえる植物です。ちなみに、小麦、ライ麦と同じ属の野生種は日本には生えていません。名前は、ムギのような草という意味でしょうが、その名の通り、穂の構造は大麦と同じで小さなムギの形をしています。大麦には実の付き方が違う二条大麦と六条大麦がありますが、ムギクサは二条大麦型です。この植物ももともと日本に自生していた植物ではなく明治以降に入ってきた帰化植物ですが、今では全国に分布しています。頻繁に見られるというほどではありませんが、生えているところには大群落を作っている場合があります。
ヒョウタンゴケは、蘚類(せんるい)というコケ植物の一種で世界的に広く分布し、日本でも全土に分布しています。草花や樹木と異なり、維管束がないため全身で吸水を行うことが出来ます。原糸体とは、コケの本体である茎葉体ができるまでに形成される植物体です。その外見は、葉緑体を多く含んでいるため緑色であり、糸状のアオミドロに似ています。ヒョウタンゴケは適度な湿度と部分的または完全な日陰を必要とし、その自然な生息地である森林の木陰を模倣しています。過水にならないように一貫して湿った基質を維持することが重要です。ヒョウタンゴケは比較的手入れが簡単で、初心者から経験豊富なガーデナーまで適しています。高湿度の必要性は定期的な霧吹きや自然な多湿な環境を必要とします。
オシダ(雄羊歯)は、日本全国の林床に自生する、オシダ科の代表的な大型シダ植物です。根茎から長さ1mに達する濃緑色の葉を放射状に密生させ、鳥の羽のような形で立ち上がる姿が特徴です。冬に葉を落とす「夏緑性」で、丈夫で育てやすいため、庭のシェードガーデン(日陰の庭)や植栽でも利用されています。根茎が太く直立し、そこから大きな葉が円状に展開します。葉は1回羽状複葉で、全体的には先端が尾状に伸びた披針形をしています。北海道から四国までの山林、特に湿り気のある温帯林の林下に群生します。基本的には冬に落葉しますが、冬でも緑の葉が雪の下に残ることもあり、その葉には養分が蓄えられています。
庭園の植栽や、日陰の環境を活かしたランドスケープによく用いられます。
ハコベは、春の七草の1つ(ハコベラ)として知られる、ナデシコ科ハコベ属の身近な越年草(一年草)です。ハコベは日本のどこでも見られる越年性一年草です。春の七草としても有名な野草で、地面に平たく這うように葉茎を伸ばし、生長していきます。明るいグリーンの柔らかい茎に小さなたまご型の葉を対生させ、先端にこれまた小さな白い花を咲かせます。越年草とは秋のうちに芽吹き、そのまま越冬して春に生長するサイクルの植物のことです。ハコベは寒い冬の間もひっそりと、明るいグリーンの新芽を出して春を待っています。花の時期は、2月~5月くらいです。陽射しが春らしさを帯び始め、木の上では梅の花がほころび出した頃、ハコベの花は咲き始めます。地面を這うように生長するのでうっかり見逃しがちですが、道端、花壇の隅、畑の畔など、あらゆるところで見かけます。
コリヤナギ(行李柳)は、朝鮮半島原産でヤナギ科の落葉低木です。枝が強靭でしなやかなため、江戸時代から「柳行李(やなぎごうり)」というカゴや衣装ケースの材料として栽培されてきました。春に葉に先立って赤い花序(花穂)をつけ、生花やドライフラワーの材料としても利用されます。枝を編んで「行李(こうり:つづらかご)」を作る柳であることから名付けられました。樹高は1~3m程度で、根元から多数の枝が立ち上がる株立ち状の低木です。 コリヤナギには葉柄(葉の茎)がほとんどなく、イヌコリヤナギは葉の幅が広く、葉柄が目立つという違いがあります。兵庫県などでは古くから栽培が盛んで、強靭で吸湿性に優れるため、収納箱などの材料として重宝されてきました。主に皮を剥いだ枝を乾燥させ、鞄、果物籠、椅子などの籠細工(杞柳製品)に使用されます。
オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)は、ヨーロッパ原産のナデシコ科の帰化植物(越年草)で、春(4〜5月)に白い小さな5弁花を密集して咲かせる雑草です。全体に白い毛が密生しており、ネズミの耳に似た葉を持つのが特徴。道端や畑に普通に見られ、繁殖力が旺盛です。全体に腺毛(粘り気のある毛)が多く、黄緑色〜淡緑色をしています。茎の先に、先端が2裂した小さな白色の花を多数つけます。日当たりの良い乾燥した場所を好み、秋に芽生えて春に開花します。名前の由来は、ヨーロッパ(オランダ)から来た、ネズミの耳(ミミナ)のような葉を持つ野草(菜)からです。繁殖力が非常に強く、園芸では雑草として扱われ、庭や畑では抜き取りや駆除が必要になることがあります。在来種のミミナグサは花柄が長く花が垂れ下がるが、オランダミミナグサは花柄が短く、花が固まって咲くことで区別できます。
オオシマザクラ(大島桜)は、伊豆諸島や伊豆半島を中心に自生する日本固有の野生サクラ(バラ科)です。4月上旬に、香りのある白い大輪の花を、新緑の緑葉と同時に咲かせるのが特徴。ソメイヨシノなどの園芸品種の原種でもあり、葉の塩漬けは桜餅の皮として利用されます。花と緑の葉が同時に開くため、遠目には白と黄緑のコントラストが美しいです。花に芳香があり、葉にもクマリンと呼ばれる香り成分があります。葉は大きく、表面に毛がありません。
桜餅の葉として使われています。ソメイヨシノが散った後、または同時に咲き、多くのサトザクラ類の起源とされています。サクラの中では潮風や塩害に強く、丈夫なため公園樹としても人気です。
ヤブイチゲ(藪一華)は、ヨーロッパからユーラシア大陸北東部を原産とする、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。春先(3〜5月)に白や淡い赤紫色の花を咲かせる「スプリング・エフェメラル」の一種で、和名の通り林床(ヤブ)に群生します。ハルオコシとも呼ばれます。高さは10〜30cm程度で、細い根茎を横に這わせて増えます。径2〜4cmほどの花を1つ付け、6〜7枚の花被片(花弁に見える部分)を持つ。黄色い雄しべが特徴で、落葉広葉樹林の林床など、湿り気のある日陰を好みます。日本では山野草として親しまれ、八重咲きの品種や、花色が濃いピンクや青の品種も流通しています。キンポウゲ科特有の微毒があるため、食用や素手での大量の収穫は避ける必要があります。
エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)は、北海道や東北地方の早春の林床に群生するケシ科の多年草です。雪解けとともに鮮やかな青〜紫色の花を咲かせる「スプリング・エフェメラル」の代表格で、春の訪れを告げる野草として親しまれています。エゾエンゴサクは、北海道から東北地方の日本海側に分布し、主に落葉広葉樹の湿った森林内に生える多年草です。群落を作り、早春の森林を一面青紫色に染める様はすばらしい。葉は楕円形の小葉3枚からなる複葉で、花の色は青系、紫系、赤系と変異が多く、時には白い花も見ることができます。花は茎の上部に総状に咲き、春先に花を咲かせ、若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごす草花(スプリングエフェメラル)です。
かつては地下の塊茎(球根)をアイヌの人々が食用として利用していました。
ハイヒバゴケ(這桧葉苔)は、南極大陸を除く世界中に分布し、木の幹、岩、壁などに這うように密生する、黄色から濃緑色の非常に丈夫な蘚類です。その繁殖力の強さと乾燥への耐性から、北半球では身近なコケであり、かつては柔らかさを利用して枕やマットレスの詰め物としても使われていました。日当たりの良い地面や岩、樹木の根元など。酸性環境や汚染にも強いです。茎が長く(2〜10cm以上)伸び、枝を規則的に羽状に出して、イトスギのような葉に覆われます。凹面で、鎌のように曲がった形をしていて、胞子を含んだ少し曲がった円筒形の胞子嚢を、秋から冬にかけてつけます。世界的に分布していますが、国内では本州の日本海側(日本海要素)に多く見られます。丈夫で環境適応力が高いため、環境緑化や苔庭の素材としても利用されることがあります。
エンレイソウ(延齢草)は、春に林内でひっそりと咲く、シュロソウ科の多年草です。3枚の葉の中心に、花弁がない茶褐色や緑色の萼(がく)を3枚つけた花を咲かせる特徴的な姿をしており、開花まで約10〜15年もの長い年月をかけることで知られています。
日本(北海道〜九州)、東アジアに分布する山野草です。名前の由来は、根茎を干したものが胃腸薬などの薬草として利用され、長寿を連想させることから「延齢草」と名付けられました。茎に3枚の大きな葉が輪生し、その中心に花径1〜2cmの地味な色の花(正確には萼)を1つ、横〜下向きにつけます。茶褐色のエンレイソウのほか、白い花びらを持つ「ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)」や、大型の「オオバナノエンレイソウ」などが代表的です。全草(特に根)にサポニンなどの有毒成分を含んでおり、誤食は腹痛や嘔吐を引き起こします。
ミヤマハタザオ(深山旗竿)は、アブラナ科の多年草で、主に北海道や中部地方以北の本州、四国などの高山・山地の砂礫地や岩場に自生します。6月から8月にかけて、茎の先端に白色の小さな十字状の花を疎らに咲かせ、クモマツマキチョウの食草としても知られています。茎は基部でよく分枝し、高さは10~40cmほどになります。根元にはロゼット状の葉を持っています。花の後に3~4cmほどの線形の鞘(長角果)をつけ、中に種子が入っています。ハクサンハタザオに似ていますが、ミヤマハタザオは「茎葉が茎を抱かない」ことや、果実が細長くくびれない点が特徴です。
本州中部の山地に分布するバラ科の落葉樹で、日本に自生する原種のサクラの一種で花、葉、樹高が他のサクラほど大きくならないためマメザクラと名付けられた。富士山や箱根付近に多いため別名は「富士桜」あるいは「箱根桜」とも呼ばれています。マメザクラの開花は3月下旬~5月上旬。前年に伸びた枝葉の基部に、直径2センチほどの小ぶりな花が1~3輪ずつ、下垂あるいは横向きに咲きます。5枚ある花弁は広い楕円形で、色は白あるいは薄ピンクで、中心部は色濃いく、雌しべは1本で雄しべは多数あり紅褐色をした長めの萼筒があります。葉は細長い卵形あるいは菱形に近い楕円で、長さは3~5センチほどです。サクラの仲間では最も小さく、葉の先端は尾状に長く伸びて縁はギザギザが多く、付け根には一対の小さな蜜腺があります。両面の葉脈上と葉柄には短毛が見られます。
ゴンズイとは、ミツバウツギ科に属する落葉樹で、日本、中国、韓国など東アジアに広く分布しています。特徴的な紅葉や冬に見られる赤い実が魅力的で、多くの人々に親しまれています。特に秋にその美しい葉が紅葉し、庭や公園などに彩りを添えます。庭木や公園樹としても人気があります。そのため日本文化にも深く根づいており、観賞用樹木としても評価されています。ゴンズイは、高さが5~10メートルほどに成長する落葉樹です。ゴンズイの葉は対生する羽状複葉で、小葉は楕円形で先が尖っています。初夏(6~7月頃)には小さな淡い黄白色の花を咲かせ、夏から秋にかけて赤く成熟する実を付けます。その実は観賞価値があり、特に冬景色にを彩る存在となります。ただし、ゴンズイの実は食用には適していませんので注意が必要です。ゴンズイは比較的耐寒性がありますが、極端な寒冷地では根元へのマルチングなど軽い防寒措置があると安心です。
ノウルシは、川原の湿った草原などに生えるトウダイグサ科の多年草です。茎を切ると漆に似た白い乳液が出て皮膚につくとかぶれることがあるので「ノウルシ」といわれます。花は3月から5月にかけて咲きます。春にいっせいに花を咲かせたあと、夏までに地上部が枯れてしまい、種で繁殖するか根から新しい芽が出るクローンで増えますが、近年は湿地
の埋め立てや河川改修などで自生環境を奪われ激減しているので、環境省のレッドデータでは準絶滅危惧種2類に指定されています。ノウルシは3月頃に発芽が始まり、3月下旬から4月上旬に花が咲きます。5月に実をつけた後、6月には地上部は枯れ、夏から翌春までは地下で根だけの状態で休眠します。春先から夏前までのわずかな時期しか見られないノウルシのような植物は、スプリング・エフェメラル(春の妖精、春のはかない命)と呼ばれています。
スカシタゴボウ(透かし田牛蒡)は、日本全国の田んぼの畔や湿った道端に生える、アブラナ科イヌガラシ属の越年草(または一年草)です。春から夏にかけて黄色い小さな花を咲かせ、実がふっくらした円柱形になるのが特徴。葉の切れ込みが深く、透けて見えるように見えることが名の由来と言われています。高さ30~80cmになり、茎の先端に黄色い花を密に咲かせます。イヌガラシが細長い実をつけるのに対し、スカシタゴボウはふっくらとした短い円柱形の実(長角果)をつけます。根元の葉は深く裂けていますが、切れ込みの程度には大きな個体差があります。種子で繁殖し、農家にとっては春先の「強害雑草」として知られることがあります。名前の由来は、下部の葉の切れ込みが大きく「透かし」彫りのように見えること、水田(田)に生え、根がゴボウのように見える(実際はそれほど似ていません)ことからきていると言われています。
ツボスミレ(坪菫)は、春に白く小さな花を咲かせるスミレ科の多年草で、別名「ニョイスミレ」とも呼ばれます。湿った草地や人家近くの林内に自生し、茎を長く伸ばして地表を這うのが特徴です。白い花弁の唇弁(下の花弁)に紫色の筋が入り、上弁が強く後ろに反り返る特徴的な姿をしています。庭(坪)に咲くスミレ、あるいは、かつて「坪」が庭を指したことから、身近な場所で見られるスミレという意味に由来します。直径約
10mm〜15mm 程度の小さな白花で、下側の花弁に紫色の線(側弁と唇弁)が入ります。葉はハート形(心形〜腎形)で、柔らかく、無毛です。地上茎が立ち上がり、高さは
10cm〜20cm ほどになります。花は 春(3月〜5月頃)に見られます。白花で小型なため、アリアケスミレと混同されることがありますが、ツボスミレは葉が丸みを帯びたハート形(幅が広め)であるのに対し、アリアケスミレは葉が細長いため区別できます。また、タチツボスミレと名前が似ていますが、全く別の種類です。
マルバフジバカマ(丸葉藤袴)は、北アメリカ原産のキク科アゲラティナ属の多年草です。明治時代に観賞用として持ち込まれましたが、現在は繁殖力の強さから、特に箱根などで野生化し、生態系への影響が懸念される「侵略的外来種」として知られています。秋(9〜10月)に、茎の先端に白色の筒状花を多数集めた頭状花序を咲かせます。葉は卵形で鋸歯(ギザギザ)があり、3裂する本家のフジバカマとは異なります。耐陰性があり、林内や明るい林床で繁殖します。地下茎で増え、群落を形成しやすいのが特徴です。北海道から近畿地方にかけて分布し、特に箱根周辺では大規模な帰化が確認されています。日本在来の「フジバカマ」とは属が異なる別種であり、アサギマダラなどのチョウが吸蜜に訪れることもありますが、マルバフジバカマ自体は香草としての特徴はほぼありません。
ムラサキケマン(紫華鬘)は、春に薄紫色の花を咲かせるケシ科キケマン属の越年草です。山野の湿った場所や道端によく見られ、花の形が仏殿の装飾具「華鬘(けまん)」に似ることが名の由来です。全草に有毒成分(プロトピンなど)を含むため、絶対に食べないでください。4月~6月。春先、20〜50cmほどの細い茎の先に、紅紫色の花を総状にたくさん咲かせます。葉は柔らかく、細かく裂けています(2回3出複葉)。花は左右対称で、後ろ側が袋状(距)に突き出しています。果実は細長いサヤ状で、熟すと触れただけで弾けて種を遠くに飛ばします。アルカロイド系の毒性があり、嘔吐や呼吸麻痺、心臓麻痺を引き起こす可能性があるため注意が必要です。白い花を咲かせる変種は「シロヤブケマン(白藪華鬘)」と呼ばれています。
ヤマグワは、北海道から九州まで日本全国の丘陵や山地に広く自生するクワ科の落葉樹で、かつては中国産のマグワと共に養蚕のための重要な飼料として栽培され、「蚕が食う葉」から「クワ」と呼ばれています。最も普通に見られるクワの一種で、単にクワという場合は本種を示すことが多く、日本以外でも中国や朝鮮半島に分布しています。ヤマグワの葉は長さ7~20センチ、幅5~12センチほどで、枝から互い違いに生じ、いづれも付け根付近から3本に分かれる葉脈が目立ちます。ヤマグワの開花は4~5月頃で、その年に伸びた枝葉の脇に花が咲きます。花弁はなく、雄花には4本の雄しべ、雌花には長さ2~3センチの雌しべが1本あり、その先端(柱頭)は二つに裂けています。クワの葉には特殊なアルカロイドが含まれており、蚕の仲間以外はこれを食べません。蚕はクワ以外にもコウゾ、タンポポ、チシャ、アキノノゲシなども食べますが、クワの葉を最も好みます。
ダイオウマツ(大王松)は、北アメリカ東南部原産の常緑針葉樹(マツ科)で、世界最長クラスの長さ20〜50cmにもなる針葉が特徴です。別名「ダイオウショウ」「ロングリーフパイン」とも呼ばれ、公園樹や洋風のシンボルツリーとして植栽されるほか、巨大な松ぼっくりはフラワーアレンジメントや工作の材料として人気があります。マツ属の中で最も長い葉を三本一組(三葉松)でつけます。葉は柔らかく、枝の先端に密生し、樹高は40mを超えることもある巨大な松で、若木は特に葉が長く垂れ下がります。長さ15〜25cmの巨大な円柱形の球果をつけ、10月頃に熟します。庭園樹のほか、その巨大な松ぼっくりがクリスマスリースや正月飾り、生け花、工作用として非常に人気があります。大王松は、その雄大な姿から「マツの王様」とも言われ、街中や公園で大きな松ぼっくりを探す楽しみがある庭木です。
ウマノチャヒキ(馬の茶挽)は、ヨーロッパからの帰化植物で、イネ科スズメノチャヒキ属の一・二年草です。日本全国に逸散し、人の手が入らない空き地や荒地で繁殖しています。全草に軟毛があり、茎は中空で細く直立しますが、穂が重く垂れ下がります。初夏〜夏に、緑色の小花を咲かせますが、葉や茎色と同色で、しかも小さいため目立ちません。全体的に咲きはじめは緑色をしていますが、終わりに近づくと茶色っぽくなります。5〜7月頃、小穂が重くなり、先端が下垂する頃緑色から徐々に茶色へと変色します。成長が早く、1株で多数の種子(300以上)を生産し、風や動物に運ばれます。明治末期〜大正初期に帰化しました。ウマノチャヒキは、乾燥した土地でもよく育つため、市街地の環境にも適応している帰化植物です。
トネリコバノカエデ(別名:ネグンドカエデ)は、北アメリカ原産のムクロジ科カエデ属の落葉高木です。葉がトネリコに似た奇数羽状複葉であることが特徴で、成長が早く、斑入りの品種(フラミンゴ等)は庭木や公園樹として人気があります。高さに達し、枝は緑色で若い枝は白い粉を帯び、カエデとしては珍しく、小葉が枚の羽状複葉(対生)です。花は4月に黄緑色の花が下垂して咲き、秋に長い翼果をつけます。カエデ属の中では珍しく、挿し木での繁殖が可能です。北米では街路樹として広まりましたが、日本ではその成長の早さから管理に注意が必要です。秋の紅葉は黄葉に近く、鮮やかな赤にはなりにくい傾向があります。
ジシバリは、北海道から九州に分布し、日当たりのよい路傍や草地に生える多年草です。茎は地を這って長く伸び、根を下ろし、葉は薄く柔らかく、長い柄をもち立ち上がり、葉身は円形~広卵形、1~3
× 0.8~2.5 cm、下部にわずかに鋸歯があることがあります。庭、道ばた、畑地、空き地などに普通に生育します。茎は切っても一部が残っていれば、そこからまた芽が出ます。葉は卵形で柔らかく、長い柄があります。4~6月、葉の間から長さ10cm程の茎を伸ばし、先に径2cm内外の黄色の花を多数つけます。畑や土手などに生い茂っている様子が、あたかも地面を縛りつけているような状態に見えるところから『地縛り(ジシバリ)』の名前がついたと言われています。茎、葉ともに切ると白乳汁が出るので『チチグサ』と呼んでいる地方もあります。
イヌガラシ(犬芥子)は、アブラナ科イヌガラシ属の多年草で、日本全国の田の畔や河川敷、道端の湿った場所に生える代表的な雑草です。春から秋にかけ、黄色い4弁の小花と、細長く湾曲する実(長角果)を多数つけます。カラシナに似るが食べられない(または美味しくない)という意味で「犬」の名がつきましたが、実は食用や薬用(利尿など)にも利用可能です。道ばたや野原、畑地、あぜなど、いたるところにごく普通に生えています。花は春から秋にかけて、長い間咲き続けます。日当たりの良い暖かい場所では、真冬でも花をつけていることがあります。冬は寒風や霜で地上部が枯れたようになりますが、多年草ですので、根で越冬し、春になると再び芽を出します。イヌガラシのイヌは否(イナ)が訛ったもので、「カラシナに似て非なるもの」という意味です。カラシナとは別種ですが、同じアブラナ科の植物で、食用になります。
シロイヌナズナは、アブラナ科シロイヌナズナ属の1年草で、ユーラシア大陸から北アフリカ大陸原産の草本植物で世界各地に広く分布し、日本では帰化植物で北海道から九州までの海岸や低地に分布しています。
3月下旬から5月上旬に先端に4枚の白い花弁を持つ花を複数つけます。背丈は花が咲いた状態で10~30cm程度です。 植物科学研究において最も代表的なモデル植物です。ゲノムサイズが非常に小さく、2000年に植物で初めて全ゲノムが解読され、世代時間が短く(約1〜2ヶ月)、省スペースで栽培可能なため、遺伝子機能解析や植物の発生メカニズム研究に世界中で利用されています。なんにも役に立たないただの雑草(ぺんぺん草の仲間)です。でも、色々な実験が出来る偉大なる「モデル植物」です。シロイヌナズナはアブラナ科の小さな雑草で、その名の通り白い花を咲かせるナズナの仲間です。
ツルカノコソウ(蔓鹿の子草)は、本州〜九州の湿った林床や谷沿いに自生するスイカズラ科の多年草です。春に白色〜薄桃色の小さな花を咲かせ、その後、細長い走出枝(ツル)を伸ばして地面を這い、繁殖する特徴があります。カノコソウとは異なり、薬用成分はほとんどありません。名前の由来は、花の様子が「鹿の子模様」に似たカノコソウの仲間で、花後に「蔓(つる)」を伸ばして増えるためです。春も半ばを過ぎるころツルカノコソウ(蔓鹿の子草)が咲き始め、暫くするとカノコソウ(鹿の子草)が可愛い蕾を付けるようになります。その花の形からも分かるように、いずれもオミナエシ科の花ですが、カノコソウは比較的山奥に咲き、散歩がてらというわけにはいかないですが、ツルカノコソウのほうは低地の山裾にも咲きます。