ba3ji3の植物園47
ニガクリタケ(苦栗茸)は、死亡例もあるほどの強い毒性を持った厚生労働省の自然毒リスクプロファイルでも知られる猛毒のキノコです。多くの場所で発生する理由の一つに、樹木の種類を問わず、どんな樹木の上でも発生・生息する特徴があります。きのこの中には、ブナの木だけにしか発生しないきのこや、広葉樹林にしか発生しないきのこ等もあり、きのこによって様々に条件が異なるところはきのこの奥深さの一つだと感じます。ちなみに、日本各地で見られることから、「すずめたけ」「どくあかたけ」「やなぎたけ」など地方ごとに様々な呼び名で呼ばれています。ニガクリタケは、発生したばかりの頃の傘の形は丸い山形で、生長すると扁平に開いていきます。傘の上の面はつるつるとした質感で、傘の直径はおよそ2~5cm。全体的に黄色がかった色をしていますが、たまに中央がやや栗色になります。一方、傘の裏の「ひだ」も黄色をしていますが、生長とともにうっすらと緑色に変化していきます。その理由は、生長に従って胞子が成熟することで「オリーブ色」へと変化するからだそう。
クジャクアスターとは、北アメリカ原産のキク科の多年草(宿根草)で、たくさんの小花を咲かせる園芸品種です。孔雀アスターとは奇妙な名前だと思いますよね。これは宿根アスターのなかで、細かい花をフワフワと咲かせるタイプの総称で、分類上の名前ではありません。1960年代に埼玉県で栽培され始めた′白孔雀′という園芸品種が代表的な存在で、「白孔雀のようなタイプのアスター※」ということです。実際に′白孔雀′とユウゼンギクの交配などによる園芸品種を主に指します。ほかの宿根アスターとの違いは、小さな花が茎に添って穂のようにまとまって咲くところです。長い茎の半分以上にわたって花がつくので見栄えがします。ふんわりやさしく、しかもにぎやかに咲く様子が、秋の花壇にふさわしいと思います。秋の花といえばキクを思い浮かべますが、キクにはない青紫系の花色があるのも特徴です。私のお気に入りは淡い紫色の小輪多花性品種′アイデアル′。倒れにくくて扱いやすいものです。
タニソバ(谷蕎麦)は、タデ科イヌタデ属の一年草です。タニソバは北海道から九州、朝鮮・中国から北アフリカに分布する1年草です。山地のやや湿った場所に生育し、林縁や谷筋などに見られます。草丈は10~50cmほどで、茎は無毛で赤色を帯びることが多く、分岐して群落を形成します。茎葉は卵形~ひし形で、葉柄には茎の付着点まで広い翼があり、しばしば赤褐色になります。茎葉は小さく、葉柄は短い。葉の裏面には毛と腺点があり、花は7月から10月にかけて咲き、ミゾソバによく似ていますが、やや小さい総状花序を形成しています。葉柄に広い翼があることや、下部の葉が赤褐色に紅葉する点などが良い区別点です。タニソバ
は一般的に、手入れが少なくて済むことで知られており、あらゆる技量レベルの園芸家に適しています。特別な注意点として、タニソバ は湿った排水のよい土壌で栄えますので、水をためすことなく一貫した水分が必要です。
白菜(ハクサイ)とは、アブラナ科アブラナ属の二年生植物であり、中国原産の代表的な葉物野菜です。日本では主に冬の定番野菜として親しまれています。ハクサイは英語で「チャイニーズ・キャベツ」とも言われるように中国原産で、東洋を代表する野菜のひとつです。日本では、日清・日露戦争で出兵した兵士が、種を持ち帰ったことで本格的に栽培されるようになりました。現在の主流は、内側が黄色みを帯びた黄芯系。鮮やかなオレンジ色の品種もあります。持ち運びしやすく、食べ切りサイズのミニハクサイも登場し、人気を集めています。ハクサイと言えば、葉が巻いた結球タイプが一般的ですが、他に半結球や結球しないものもあります。水分が多く、低カロリーな野菜です。比較的多く含まれるのがカリウムとビタミンC。カリウムは体内の余分な塩分を排出するので、高血圧の予防や、老廃物の排出を促進する働きがあります。ビタミンCは、免疫力を向上させるので風邪の予防にも適しています。あっさりした味わいなので、定番の鍋物や漬物はもちろん、炒めもの、煮物、サラダなど様々な調理法で楽しみましょう。
ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。地中海東部を原産とする野生のキャベツ(ケール)が品種改良されて生まれました。ブロッコリーは、原産地を地中海東部とするケールが起源の野菜です。キャベツもケールを起源とする野菜で、つまり、ブロッコリーは、キャベツの仲間ということです。ケールの葉が結球したものがキャベツ、根が発達し食べるようになったものがコールラビ、花の部分を食べるようになったものがブロッコリーおよびカリフラワーという分化をたどったといわれています。私たちが通常食べている蕾の部分のことを、花蕾と呼びます。現在の形のブロッコリーがいつ頃から食べられていたかは、定かではありません。しかし、地中海沿岸では、古くからケール起源の野菜を食べていたようで、その中でブロッコリーは、レパント、キプロス、クレタ島あたりからイタリア半島に伝播し、16世紀から17世紀の初めにドイツやフランス、イギリスへ伝わり栽培が始められたようです。日本へは、明治時代の初めにカリフラワーとともに西洋の野菜として導入されましたが、一般には普及しませんでした。しかし、第二次世界大戦後、食の洋風化とともにカリフラワーやブロッコリーが注目され始め、食卓に上がるようになりました。
オオカメノキ(大亀の木、は、北海道~九州の山地に自生するレンプクソウ科の落葉樹です。山地~亜高山の湿った岩陰や樹林内に自生するガマズミの仲間で、春~初夏に咲く白い花を観賞するため、庭園や茶庭にも植栽されました。別名はムシカリで、日本以外でも台湾や中国に分布しています。葉が大きいこと、葉脈(葉の皺)がカメの甲羅のような模様を描くことから、オオカメノキと命名されました。冬芽や新芽が独特であり、管理人はこの様子を亀に見立てて命名されたものと思い込んでいました。葉は直径6~20センチの円形あるいは卵形で先端が尖り、縁には不規則なギザギザがある。樹齢が若くても葉が大きいため他の樹木よりも虫食いが目立ちますが、その分、紅葉も美しい。山地では他の樹木に先駆けて紅葉します。オオカメノキの開花は4~6月で、枝先にガクアジサイに似た白い花が咲きます。花弁のように見えるのは直径2~3センチの装飾花で五つに裂けています。実際の花は中央にある小さな両性花で、微かな甘い芳香があります。オオカメノキの材はかつて弓、かんじき、薪などに使われました。
シャクジョウソウ(錫杖草)とは、ツツジ科シャクジョウソウ属に属する多年草(腐生植物・菌従属栄養植物)です。葉緑素を持たないため緑色が一切なく、全体が淡い黄褐色をしています。草丈は10〜20cmほどです。名前の由来は、茎の先にうなだれるように花を咲かせる姿が、修験者や僧侶が持つ仏具の錫杖(しゃくじょう)に似ていることから名付けられました。自分自身で光合成をしません。地下にある菌根菌(キノコの仲間)から栄養を奪って(寄生して)生育します。5月〜8月ごろに、長さ15mmほどの鐘形の花を数個下向きに咲かせます。咲き進むにつれて花が上を向き、実(蒴果)も上を向くようになります。北海道から九州までの山地のやや薄暗い林内などに自生しています。海外(アジア、ヨーロッパ、北アメリカの温帯)にも広く分布しています。シャジクソウ属は、野原や茂みに自生する植物で、熊や野鳥などの野生動物によって食されます。植物は、通常の3枚の葉を付けることが多いですが、4枚の葉を持つ個体もあり、四つ葉は、希少価値が高く、幸運をもたらすものと考えられています。
アーティチョークとは、キク科チョウセンアザミ属の多年草で、ヨーロッパやアメリカで親しまれている春・初夏の野菜です。和名はチョウセンアザミと呼ばれます。アーティチョークは、開花前のふっくらとした蕾を収穫し、萼のつけ根と花托(かたく)を食べます。ゆり根のようなホクホクとした食感と、ソラマメやジャガイモのような風味が持ち味です。1年目は株の養生に努め、本格的な収穫は2年目から。ダイナミックな株姿はインパクトがあり、アザミに似た紫の花も見ごたえがあります。アーティチョークの葉(キク科の植物であるアーティチョークの葉)は、主に消化機能のサポートや健康維持を目的としたハーブティー・サプリメント、および毛穴ケアなどを目的とした化粧品原料として広く利用されています。つぼみ(食用部分)とは異なり、非常に強い苦味を持つ成分「シナリン」が豊富に含まれているのが特徴です。苦味成分の「シナリン」が胆汁の分泌を促し、脂っこい食事の消化をサポートします。古くからヨーロッパでヨーロッパの伝統植物療法(ハーブ)として、肝臓のケアやデトックス目的で親しまれています。
ヤロウはキク科のハーブで、ヨーロッパの草原に自生する多年草です。和名でセイヨウノコギリソウと呼ばれるのは、葉がノコギリの刃のようにギザギザした形状をしていることからです。初夏~秋にかけて白い花がたくさん開花し、1cmにもみたない小花が固まって咲き、遠くから見るとひとつの大きな花のように見えます。丈夫な性質で、日当たりが良ければやせ地や荒れ地でも育ち、地下茎で広がっていきます。薬草としての歴史は古く、古代ギリシャ時代にさかのぼります。全草に薬効があり、止血、解熱、殺菌をはじめ、たくさんの効能があります。学名のアキレアはギリシャ神話に由来し、古代ギリシャの英雄アキレウス(アキレス)がトロイア戦争で傷をおった戦士たちをヤロウを使って手当したことにちなみます。このことからヤロウは「兵士の傷薬」とも呼ばれています。アキレアにはたくさんの種類があり、流通上アキレアと呼ばれるものはセイヨウノコギリソウで、ヤロウ(コモンヤロウ)もそのひとつです。園芸種は育種が盛んで、豊富なカラーバリエーションがあります。
宿根アスター(しゅっこんアスター)は、キク科シオン属(またはシンフィオトリクム属)の多年草(宿根草)の総称です。北アメリカなどを原産地とし、秋に多くの小花を咲かせることで知られています。シオン(アスター)属は500種の仲間を有する、キク科の中でも大きな属の一つです。はっきりした定義はありませんが、その中でも、鉢植えや花壇、切り花など、園芸的に栽培されているものを総称してシュッコンアスターと呼ぶことが多いです。野生種の他、代表的なものにミケマルス・デージー類、クジャクアスター類などがあります。野菊のような雰囲気の可愛らしい花をまとめて咲かせるものが多いです。草丈は種によって異なり小型種で30cm、大型種では2mを越します。シュッコンは漢字で「宿根」と書き、冬は茎葉が枯れて根の状態で越す、毎年生長する草花のことを指します。園芸でアスターと呼ばれている草花は花後に枯れる一年草として扱うので、それと区別するためにもシュッコンアスターと呼ばれます。属名のアスターはギリシア語で「星」を意味し、花姿に由来します。属名から言うと、本種をアスターと呼ぶのが正しいのかもしれませんが、園芸でアスターというとキク科カリステフ属の別種を指すことが多く、一般にはその方が広く通っています。
カツラ(桂)とは、日本全国の山地や沢沿いに自生するカツラ科カツラ属の落葉高木。白亜紀から生き延びる原始的な「生きた化石」の一つとも呼ばれています。北海道から九州まで日本全国の山地に見られるカツラ科の落葉樹で、北海道では最も樹高が高くなる木です。明るく開けた場所に育ち、特に奥山の谷や沢沿い、林縁に多いです。左右対称の端整な樹形や新緑と黄葉の美しさから、万葉集や古事記にもその名が登場し、日本の銘木として海外でも知られています。直径3〜8センチほどの可愛らしい丸みのあるハート型の葉をつけます。秋に葉が黄色く黄葉して落葉する際、キャラメルや綿あめ、醤油煎餅のような甘い芳香を放ちます。香りの成分はマルトールとされます。成長すると樹高は20〜30メートル(最大35メートル)に達し、左右対称の整った美しい樹形になります。雌雄異株です。葉から良い香りがすることから「香出(かづ)ら」が転訛したという説が有力視されています。軽くて柔らかく、狂いが少ないため、家具や建築造作、彫刻、さらに高級な碁盤・将棋盤の材として珍重されます。新緑や秋の黄金色の黄葉が美しいため、シンボルツリーや公園樹としても人気があります。